
アートを学ぶのに良い方法はなんでしょう?
西洋では、「本」と「鑑賞」でした。
これからそれが「オンラインスクール」に替わろうとしています。
– オンラインスクールは、アートを学ぶのに適してるのか?
– そのメリット/デメリットは?
– 果たして日本のアートでそれは可能なのか?
それらを3分で整理できる記事です。
アートが学べる「MoMAのオンラインクラス」が始まりました。4/16からスタートですので、フレッシュな話題です。
「アートを学ぶのに良い方法はなんでしょう?」と、良く聞かれます。
答えは、西洋と日本で異なります。
西洋では「本」と「鑑賞」でした。
それを交互におこなう。「本」で文脈をロジカルに理解する。「鑑賞」で、それを超えて感性から価値をみいだす。その行き来をすることが必須です。
そして、時空間の中での《定義》を行います。
モダンアートとは、なにか?
絵画とは、なにか?
歴史/地域と共に変化するイメージや音の中に、メタモデルをみいだすこと。それを歴史/地域の中でポジショニングすること。それを知るのが西洋のアートの学び方。
だから、アートを作る側も、メタモデルをしらないと、その土俵にはのっかれません。それが宗教としてであろうと、個人としてであろうと、その中で、いかに新しい価値を打ち出すかが、美術家のミッションです。
対して、日本。
所作の中でアートを会得していく(生き様を全てアートにしてしまう)西洋に比べると自由な方法でした。
だから、鑑賞のガイダンスになる本もない。開けばそこには先人たちの禅問答。『燃えよ、ドラゴン』で「考えるな、感じろ」と言われたそのままが全てに当てはまります。自然に開かれた感覚をとぎすまし、その中で感じたものを表したり、表現者も鑑賞者も一体となり、自然と調和することをアートとして目指しました。
だから、アートオブライフ。
西洋式では、今「オンラインスクール」が、これまでの「本」「鑑賞」に替わろうとしています。もちろん「鑑賞」は本物でしかできない次元ですが、ご時世がら家にいる時間があること、諸外国に行かなくても、携帯だけで、第一線の方のレクチャーを聞けることは、とてもありがたいこと。
これは特に西洋式には、合っています。

だから、このMoMAのオンラインクラスも、現代美術・モダン美術の「当たり前がわかる」「おさらいする」には、とても良いと思いました。さすがプレゼンの国、アメリカ。理解しやすいです。
メリットは:
- 興味が持てるテーマから学べる
- シラバス(授業構成)と学習ステップが明確。切り口に問題意識がある
- コレクション(実物)から学べる
- 言葉がわかりやすい(日本語だとわからない
- 解説者が最前線
こちらが、現時点での解説者リストです。
↓

ほとんどが「Assistant」なのが気になるところではありますが、「MoMA」の看板を背負って大多数の人にリーチして話すわけですから、ちゃんと準備する時間もあり、やる気があるのではないかと期待します。

デメリットは、
- それぞれのクラスのゴール(学び終わったらどうなれるか)が、今いち見えない
- 映像学習は英語ができないとわからない
- 確実なスキルにはならない
という感じでしょうか。
テック系サービスは、改善が早いので、そのうちすぐ良くなるかもしれません。

コロナ下の「非接触」で「家にいる」必要があるようになって、日本では初めて「オンライン・スクーリング」や「ウェビナー」が注目されるようになりましたが、テック最先端国のアメリカではすでに土台となるプラットフォームもシステムも充実しています。
例えば、子供向けなら『Khan Academy』、大人キャリア向けなら『LinkedInラーニング』など。ヨガやダンスもオンラインクラスが主流になってます。そんなプラットフォームのひとつが、MoMAのオンラインクラスを扱う『coursera』。
本でないとできないこともあると思いますが、オンラインが得意なことも多い。その1つが、音声からのインプットです。私はもっぱらすきま時間(今だと犬の散歩中)にオンラインクラスを1.5倍速の音声で聞いて学ぶことが多くなってきました。だって、体を動かしながら聞いてると、同じ内容の本を読むより、早く、確実に覚えられます。
皆さんも、面白いオンラインクラスを見つけたら、教えてください😌
さて、日本の所作は….?
オンラインで学べるのか?
私は、こういったレクチャー形式よりも、アート的な映像が向いてると思います。例えば…
中国の有名Vloggerである李子柒(li ziqi)さんの田舎暮らしライフ。
韓国の有名VloggerであるSuedduさんの、ひきこもりシンプルライフ。
こんなのの日本版を作りたいですね!
INFO
▶︎MoMA オンラインクラス @coursera
梅澤さやか
ムーサの芸術研究会・主宰

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