レクチャーシリーズがスタート。島国のアイデンティティーを探る ──日本文化を〈海辺〉から読み直す

6月27日(土)、リサーチャーの原 瑠璃彦さん(能・日本庭園)を講師にお迎えしての3回オンライン・レクチャーシリーズ

島国のアイデンティティーを探る
──日本文化を〈海辺〉から読み直す


DAY1《 日本文化に繰り返される〈海辺〉のモティーフ 》がスタートしました…!

海辺のモティーフから、日本的なものを探るというコアかつ野心的な内容にもかかわらず、「後から録画受講」も含めて20名近い方にお集まりいただきました。みなさま、本当にありがとうございます。講師の瑠璃彦さん、連日大学の授業で忙しい中、気合を入れて準備してくださいました。お疲れ様です。

瑠璃彦さんの博論テーマでもある「洲浜(すはま)」=「海辺の風景」ってなんなんですか?ってところから始まったこの企画。DAY1は、「洲浜(すはま)」のうねうねと曲がる海辺をもした曲線モティーフが、どのように和歌・やまと絵・庭園・文化風習に関わってきたかを読み解き、それが大陸とは異なる日本独特のものであることを、勉強しました。
 
和歌の歌合で、目の前にない風景・イメージを思う装置として使われてたのが、「洲浜台」という作り物。さらに、この「洲浜(すはま)」の表象が、天皇の国見にも使われて、国・権力をまとめられることにも一役買っていたというのが、瑠璃彦さんの考えです。

さらには、「洲浜(すはま)」を「中島」(理想郷)を見立てることが、ミニチュア文化のルーツであるとか、現代にもつながる脈絡が多々あるとのこと。

大島渚の《愛のコリーダ》で、吉蔵と定が祝言をあげる場面では「洲浜台」の末裔である「島台」が置かれていたそうで、単に「めでたい祝言物」というだけではなく、境界線が融解する交わりの象徴とも重なっているのかもしれません。これはDAY2、DAY3と進んでいくと、もっと深まっていくことでしょう。。!


コアなテーマですが、実は、日本のアイデンディティを形成する大事な生み出し力になっている「海辺の風景」。日本に関わる人・日本文化に関心がある方なら、誰でも感じることがある内容だと思っております。
 
全3回シリーズで、7月にDAY2、8月にDAY3を行いますので、途中から参加されたい方がいらっしゃれば、大ウェルカムです。レクチャー概要をご覧の上、こちらのお問合せフォームからご連絡くださいませ。

スポット参加もできます。
当日都合が合わなければ、「後から録画受講」もありますので、ご利用ください。
(DAY1の「後から録画受講」もできます)

INFO

▶︎Day1// 6月27日(土):​ 日本文化に繰り返される〈海辺〉のモティーフ
(※ 終了しておりますが、後から録画受講できます)
▶︎Day2// 7月25日(土):​ 日本文化に埋め込まれた〈海辺〉のコード
▶︎Day3// 8月22日(土):​ わたしたちが〈しま〉を訪れるということ

レクチャー概要はこちら>
お問合せフォーム



追伸:ムーサの芸術研究会として開催するはじめてのオンライン・レクチャーでしたので、何気に自分でレクチャーするよりも緊張しました….。引き続き、面白い内容のレクチャーを楽しんでいただけるよう円滑な運営を心がけます

自粛期間が解禁したと思ったら、島国では豪雨で多くの被害が出ています。いまだ救助活動が続いていますが、どうぞ一刻も早く安心な生活に戻れますように。
ご無事でお過ごしの方には、湿気がおおい時期が続きますが、どうぞご自愛ください。