
最近は、もっぱらZoomの打ち合わせが増えておりますが、外に行った時には
・密にならない
・気がよい
・すなわち打ち合わせが捗る
場所は貴重です。そのうちの1つが、東京・白金台の庭園美術館にある《 cafe TEIEN 》。先日も、打ち合わせしてきました。
庭園美術館には、《 cafe TEIEN 》が2箇所あります。オケージョンにより使い分けてます。
当日はちょうど、雨の合間の晴れの日だったので、美術館正門横にあるレストラン《 cafe TEIEN Du Parc 》のテラス席に行きました。テラスだと密を気にしなくていいのが安心ですし、サンサンとお日様を浴びて、煌めく緑まぶしいお庭をヒラヒラと蝶々が舞ってて、気持ちよかったです。四季のお花が愛でられるのも、リフレッシュしますね。今ですと桔梗と紫陽花が見頃です。
雨の日は、庭園美術館・新館1Fにある《 cafe TEIEN 》の方に行きます。ここは、天高があって、庭園に面してガラス張りになってるのでのびのびします。(こちらもテラスがあります)東京というより、フィンランドにあるカフェに似てる〈気〉を私は感じます。

庭園美術館は、東京でいくべき美術館の1つです。
ご存知の方も多いと思いますが、この館は旧朝香宮夫妻の邸宅。1933年に建造されており、インテリア装飾が全てアール・デコ様式(※ 註1)で統一されていて、極めて優美です。
大学時代に学芸員資格をとるために「博物学実習」という授業を受けていて、ほぼ毎週、どこかの美術館に行っては、レポートを書いてる時期がありました。当時、課題に出たことで知ったのが、この庭園美術館でした。初めてエントランスのルネ・ラリック(※ 註2)のガラス扉を見た時の衝撃は忘れられません。
新館は、現代美術家の杉本 博司さん(※ 註3)がアドバイザリーに迎えてデザインされました。アール・デコ本館から新館へつながる廊下を経て、ミニマルなデザインのホワイト・キューブ(※ 註4)の展示空間をもつ、より現代的でフラットなスペース(※ 註5)になっています。
(※ 註1)アール・デコ様式
アールヌーヴォー様式に続き、1910年代から30年代にかけてフランスを中心にヨーロッパを席巻した工芸・建築・絵画・ファッションなど全ての分野に波及した装飾様式。合成樹脂、鉄筋コンクリート、強化ガラスといった新素材、大量生産が特徴。用と美との両立を目指し、直線と立体の知的な構成と、幾何学的模様の装飾をもつスタイルが徐々に確立された。
(※ 註2)ルネ・ラリック
ジュエリー・デザイナー、ガラス工芸家。アール・ヌーヴォーの時代にジュエリーを手がけていた頃から、貴石に代わる新素材としてガラスを用いていたラリックは、20世紀に入ると、芸術性と実用性・量産性を兼ね備えた型押技法や型吹き技法で、アール・デコのガラス工芸家としての絶対的な評価を築いた。朝香宮邸のためには正面玄関ガラスレリーフ扉をデザイン。大客室と大食堂のシャンデリアとしてそれぞれ《ブカレスト》、《パイナップルとざくろ》を提供している。
(※ 註3)杉本 博司
1948年東京生まれ。1970年に渡米、1974年よりニューヨークに移り写真制作を開始。「劇場」「海景」などに代表される作品は、明確なコンセプトと卓越した技術で高い評価を確立し、世界中の美術館に収蔵されている。2008年には建築家・榊田倫之とともに建築設計事務所として新素材研究所を設立。古代〜近世の素材や技法を研究し、現代における再解釈と再興に取り組んでいる。
(※ 註4)ホワイト・キューブ
(※ 註5)現代的でフラットなスペース
「白い立方体」の空間。1929年に開館したニューヨーク近代美術館(MoMA)が導入し、展示空間の代名詞として用いられる。公共性に支えられた近代の美術館制度が制度としての「美術」を存続させるためには中立性を担保する象徴的空間が必要であり、何もない空間ゆえの可変性と柔軟性を特徴とするのは、近代美術が鑑賞体験の純粋性を追及したゆえである。

こういうところで話すと、初見の人とでもすぐにコミュニケーションがよいリズムになります。自然があるのが大事ですね。自然のリズムに心身があって1/fのゆらぎが生まれると良い雰囲気で話せるのだと思います。会議の内容もクリエイティブに展開します。
いい気分になって白金台駅にむかってたら、なんと20年振りの友人にばったり遭遇して感動の再会しました。1/fのゆらぎは、よいご縁ももたらしてくれると思います。
INFO
《 cafe TEIEN 》
ウェブサイト>
庭園美術館・本館のアール・デコは時間があれば立ち寄ると優雅な気分に。庭の散策も気持ち良いです。なんと言ってもよくお手入れされた芝が素敵ですが、実は茶室と日本庭園もあるんですよ。より生の自然を求めるなら、隣の目黒自然教育園へ。
《 cafe TEIEN 》は、青山にある《 ロアラブッシュ 》(ここも1933年建築)と同グループ運営です。2000年くらいに籍を置いてた会社のボスに、よく連れて行ってもらってシャンパンを飲んでました。
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