「良きが上にも良きものを」大倉陶園の《色蒔き》

大倉陶園の《色蒔き》、モーニングカップのブルーです。

マイセン(ドイツ)、ウェッジウッド(イギリス)、ヘレンド(ハンガリー)など…
ヨーロッパの名窯モノもすてきなんですが、どうも大倉陶園の、それもこの〈色蒔き〉シリーズに魅せられてます。

そのいちばんの理由は

なんだと思うようになりました。

この深みのある色は《漆蒔(うるしまき)》という大倉陶園独自の技法だからこそ生まれます。
白生地の上に塗った漆に、絵具の粉を蒔いて、綿で刷り込みながら染み込ませるという手の込んだ工程は、すべて職人の手でおこなわれるため均一な色が出るそうです。とても端正な素材感。

ブルーの他の色は、ピンク、ライトグリーン、イエロー、クリーム、レッド、黒。洗練されたカラーパレットも魅力です。我が家は一色一脚ずつ揃えて、多様な色を楽しんでます。気分により色を選んだり、来客時にはお客様にあわせてお出ししたりしてます。欧州の色とは、何か〈沈み方〉が違うんですよね。草花植物の天然感があるのは漆ゆえか?でも決して素朴ではない。

《色蒔き》シリーズは、もともと祖父がクリーム色のティーセット一式を旧丸ビルの直営店で購入したのが最初でした。それを母に譲ったことから我が家では長く馴染みがある器ですが、その姿は寂れることなく益々優雅です。

大倉陶園の創業は1919年。「良きが上にも良きものを」という大倉孫兵衛、和親父子がはじめました。自分の好みに気づくと、人生の中で何を大事にしてるか大きな発見がありますね。

INFO

大倉陶苑
《色蒔》シリーズ